IBM Watson(ワトソン)の知られざる力とは?5つの活用事例から徹底解説

こんにちは。当メディアを運営するストラテジーテックコンサルティング編集部です。

皆様はIBM社が開発するWatsonを知っていますでしょうか。2011年アメリカの人気クイズ番組で当時のチャンピオンをAIが破ったことで一躍有名になりました。人工知能を搭載したWatsonはAIの先駆けとして世界に広まりました。そこで今回は、実際にWatsonが企業でどういった活用をされているのかを、Watsonの機能から活用事例、失敗事例などと併せて解説致しました。

IBM Watson(ワトソン)とは?

IBM社が開発した質問応答・意思決定システムです。同社によるとWatsonは以下の様に紹介されています。

IBM Watsonは、お客様のビジネスに活用いただくためのAIです。日々の業務から生まれるデータをナレッジに変え、業務プロセスに組み込んで活用することで、プロセスの効率化や高付加価値化を実現できます。たとえば、人間には読みきれないような大量のデータの中からすばやく知見や洞察を見出したり、顧客に対してさまざまな場面で一貫した質の高い応対をすることを可能にします。また、情報と知見に基づく意思決定を支援したり、ビジネスのさまざまな業務や場面であなたをサポートします。

端的に言うとWatsonは属人的な応答サービスをAIの力でスピーディーに対応するシステムです。その他、膨大なデータを学習し適切な答えを提示する機能も備わっています。現在では、専門性の高い医療・金融・人材・教育等の分野でも幅広く活用され、人間の代わりとして、企業の生産性を高めています。

参照:)IBM Watson(ワトソン)とは

IBM Watson(ワトソン)ができることってなに?

Watsonのスゴさを簡単に説明しましょう。Watsonができることは主に以下の3つです。

画像を含めた非構造化データを認識し分析できる

画像内の人や動物などを認識することができます。例えば、何歳なのか?性別はどちらか?犬なのか猫なのか?等の細かい抽出まで行う機能があります。特筆すべきは、元あるデータをWatsonに学習させて、独自のカスタムモデルで認識判別することができる点です。

膨大なデータから最適な答えとソリューションを提示する

ビジネスの現場では、日々膨大なデータが生み出されます。Watsonはこれらデータを学習してエラーを感知し、最適な答えと対応を行います。例えば、エンジニアが管理している数百万台のエレベーターの故障時期をあらかじめ察知し、優先的にメンテナンスを行うことが可能になります。

言葉のやりとりができる

言葉を翻訳したり、複雑な質問の意味を理解して対応をすることができます。例えば、企業に寄せられる電話のお問い合わせデータを事前に学習させ、Watsonによって素早く対応できます。専門性の高い内容でも、事前にデータ学習させることで傾向を理解して人間の様に応答できます

IBM Watson(ワトソン)の活用事例

それでは、Watsonの実際の導入事例をご紹介していきます。いかにWatsonが私たちの生活に役立っているかを知っていただけるかと思います。

Watson活用事例 みずほ銀行

みずほ銀行は2015年にコールセンター業務支援を目的としてWatsonを導入しました。導入以前はお客様から質問を受けると、手作業でマニュアルを調べて回答する作業を行っていました。そこで音声認識システムを搭載したWatsonを導入し、お客様との対話の中で言葉を理解し、瞬時に候補となる回答をオペレーターに提示するシステムを構築しました。導入は成功し、リアルタイムな対応からお客様満足度の向上につながりました。

Watson活用事例 JR東日本

JR東日本は、お問い合わせセンター業務を支援する仕組み作るためにWatsonを導入しました。幅広く深い知識が必要になる現場では、オペレーターのスキルのばらつきが課題でした。Watsonを導入することで、オペレーターのスキルの差を埋めた結果、均一した対応になり、応答時間を最大30%短縮することができました。今後はオペレーターの音声を分析して、定量的な評価につなげるシステムを構築していく予定です。

Watson活用事例 医療情報提供サービス

日本国内に流通している医薬品の数は、20000品目と非常に多い現状です。また、効果や効能が類似する医薬品も存在しており、適切な医薬品を探し出して短時間で提供することが困難な状況でした。そこでWatsonの出番です。薬剤師や医師の質問に対し最適な医薬品の情報をスピーディーに提供できるようになりました。

Watson活用事例 国立循環器病研究センター

脳梗塞や心筋梗塞を含む循環器系疾患は、がんと匹敵するほどの国民福祉を脅かす原因になっています。国立循環器病センターは、膨大な患者のデータをデータベース化してWatsonの機能で解析・予測をするプロジェクトを開始しました。それまでの電子カルテは、患者の情報や看護師の記録が異なる用語で登録されていましたが、Watsonの自然言語処理機能を活用して一元管理することができました。結果として、胸痛や夜間発作性呼吸困難などの症状を自動で抽出できるようになりました。

Watson活用事例 H&Rブロック

H&Rブロックは、アメリカの大手税務申告サービスの会社です。Watsonと連携して新しい確定申告書類の作成サービスを開始しました。74000ページにもなるアメリカの税法を記憶・学習して納税者が申請可能な控除を探し出せるのです。膨大な専門知識をWatsonに学習させることで、お客様に適切な税の還付を導き出せるようになりました。

IBM Watsonが作る未来

事例をご覧いただいたように、Watsonはさまざまな業界で活用されています。進化し続けるWatsonが作り出す未来は、私たちの生活にどう結びついてくるのでしょうか。

医療37兆個もある人間の細胞データから健康状態を特徴付け「将来病気になりやすいか」などを予測し医療に応用していく
マーケティングマーケターが分析していた顧客の属性や情報をWatsonの性格分析機能を活かして顧客のニーズを鮮明に導き出すことができる
教育性格・学習時間・アドバイスなどのデータから、パーソナライズした学習を学生に行うことができる。

Watsonの失敗から学ぶAIとの向き合い方とは?

ここまで読み進めていただいた読者の皆さんは、Watsonの近未来感にワクワクされたのではないでしょうか。しかしながら、Watsonの理想と現実のギャップを埋めきれず、失敗してしまった事例も存在しています。

Watson失敗事例

日本のメガバング三菱UFJ銀行は2015年にWatsonの導入を開始しました。※1店舗、WEB、コールセンターなどから集めたデータを活用して顧客満足度向上の狙いがありました。しかし、思うようにWatsonの正答率が高まらず、多くの労力をかけたものの、見合った成果は出ずプロジェクトは難航したそうです。

では、失敗からどうAIを活用すべきなのでしょうか。日経クロステックによると※2Watsonを含めAIの課題としては「扱うための人材の不足」「AIに学習させるデータの品質」「Ai導入の目的、期待等の関係者のイメージのズレ」の3つとされています。

「AI活用のプロジェクトを経営層と情シス部門のイメージを統一」
「業務を理解しているデータエンジニアを育てる」
「精度を高めたデータを抽出すること」

上記の対策がAIを活用するために重要とされています。

第3次AIブームが起こり、AIを導入する企業は増えました。AIがもたらすビジネス効果の可能性が無限大である一方で、うまく活用できず苦しむ企業もいます。トライアンドエラーを繰り返しながらも粘り強くAIを育てていく必要があるでしょう。

※1参照:)理想と現実のギャップに苦しむ、IBMのWatsonユーザー

※2参照:)AI運用の現場に共通するつまずき防止の改善ポイント

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、IBM社が開発するWatsonの事例を紹介致しました。Watsonを効率よく活用するにはユーザーである人間が根気よく育てていかなければなりません。本記事が、Watsonについて知見を深めるキッカケになりましたら幸いです。

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