scm成功事例について、失敗事例と課題を交えてご紹介します。

こんにちは。当メディアを運営するストラテジーテックコンサルティング編集部です

サプライチェーンマネジメント(scm)の成功事例をトヨタ、花王などの企業例を上げつつ、多くの企業が2000年代導入に失敗した事例と課題もご紹介します。

サプライチェーンマネジメント(scm)とは

まず、サプライチェーンとは原材料が調達されてから消費者に商品が届くまでの過程のことを表ます。もう少し具体的な流れを見てみると「原材料→生産→物流→販売」と言う流れです。

サプライチェーンマネジメント(scm)とは、上記のことに加えてそれぞれの流れに情報を連携し全体の流れが効率よく最適化されることを表します。その中でも、需給の予測が一番重要です。これを適切に管理できていないと在庫などが余ってしまい経営などにダメージを与えてしまいます。したがって、サプライチェーンの中ではいかに情報を共有し、必要なものと必要ないものを区別することが出来るかが、サプライチェーンマネジメントを成功させる上で重要なことです。

一つ分かりやすい例としてコンビニでの事例をご紹介します。今回はおにぎりに焦点を当ててみましょう。まず、おにぎりの原材料であるお米は農場で生産されます。そして、コンビニの店頭に並ぶまでに工場での生産過程があり、農協などの集荷販売業者を仲介し、中食事業者を経てコンビニと言う流れで届きます。さらに、コンビニの中でも発注マネージャーが毎日仕入れの個数を決めたりして売上に対して効率よくアプローチしています。

サプライチェーンマネジメント(scm)の導入企業例

 

電子機器・コンピューター業界シャープ株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社、ソニー株式会社
自動車業界トヨタ自動車株式会社
食品・飲料業界富士コカ・コーラボトリング株式会社
鉄鋼業界社団法人鋼材倶楽部
日用雑貨業界ライオン株式会社
間接材業界NTTデータオフィスマート株式会社

以上はサプライチェーンマネジメントの導入に成功した企業です。

しかし、2000年前後に多くの企業がscmの導入を試みたが実際にはほとんどの企業が導入に失敗しています。主に失敗する原因は2つあるのでそちらもご紹介します。

一つ目は本来あるビジネスの仕様を考慮せずにscmの構築をしようとすることです。例えば、コンビニで上手くいったscmをそのままスーパーマケットなどに適用しようとしても互いのscmで完全な互換性がないので上手くいかないといったケースが多いです。

二つ目がscmをマネジメントだと勘違いしたことです。ある会社の在庫管理において上の会社や組織から何かしらの指示がありそれらを業務のようにこなせば良いと言う考え方によるものです。当然scmは単なる作業ではないので上手く行かないです。

サプライチェーンマネジメント(scm)の先進事例

ここではscmの導入で大きく成功した企業を詳しく見ていきましょう。

花王事例

花王の成功要因に経営破綻のリスクのある投資を行なったことです。全国に八個の工場を持ち、物流の拠点を21箇所持ち、大量の配送車とトレーラーを所有していることです。これにより、花王は8万の店舗に1500のアイテムを1日以内に納品することが可能です。

また、日次での販売実績を元に先の需要を予測しています。また、品目別に季節での変動性、価格の弾力性なども考慮しています。今では、新商品であったとしても一週間ほどあれば予測が出来るようになっています。

トヨタ事例

トヨタではジャスト・イン・タイム(JIT)方式と言う製造方法をとっていて、これは組み立てを行うときに組み立て工場から部品がなくなりそうになったらすぐに発注をかけると言うものです。通常の組み立て工場では先に部品などを発注して、組み立て工場から離れた倉庫に保管するので、その倉庫内での在庫確認や使用数の管理が必要となる上に、実際に組み立てを行う時は倉庫から輸送しなくてはならないので、かなり手間がかかってしまいます。

ただし、この生産方式には欠点もあり、災害時に一つでも部品工場が被害を受けてしまうと組み立てが止まってしまうことです。一応この問題に対しては部品や原材料の企業と密な連携をとり、それぞれの工場を近くに建設することによって仮に一つの工場が被災したとしてもお互いの工場が連携をとって復旧作業を行うことで解決しました。また、近くに工場があるので輸送の距離も短くて済むので時間的にもコスト的にも最適化されています。

株式会社トーハン事例

トーハンは出版関連の大手取次を行う会社です。基本的には書店と出版社の間にたち書籍の在庫管理や仕入れ、物流、営業をデータで一元管理しています。もし、トーハンのような取次がなければ、書店はわざわざ欲しい書籍を出版社に連絡して取り寄せなければならないといったことになってしまい、莫大な労力と時間を要してしまいます。

そこで、トーハンはデータの一元管理に際してscmを導入し大幅に効率をあげることに成功しました。通常、私たちのようなエンドユーザーまでに接点はないのですが、トーハンは私たちエンドユーザーと書店、取次の三者間をつなげることに成功して大きく売り上げを伸ばしました。

株式会社日本アクセス事例

日本アクセスは総合食品の商社です。全国に550箇所の物流拠点と密な連携をとるTPL物流を用いて原料調達や輸送、保管、管理、配送、生産、販売、リサイクルの一気貫通に成功しました。また、scmをメーカー、卸売企業、小売企業に適用させることによって供給予測の精度をあげることに成功し在庫の最適化に成功しました。

ワールド&ZARA事例

日本でアパレル業界の大手である、ワールドとスペイン発祥ブランドのZARA。この二社のscmはアパレル業界に大きな変革を起こしました。具体的には二週間以内に生産を行い商品として消費者に届けると言うものです。2週間という速さは通常のアパレル業界においては考えられない速さでした。なぜ、この二社は2週間にこだわったのかというと、もし商品がヒットして在庫切れになったとしても、2週間あれば在庫の補充が行えると言うことによるものです。

では、具体的にどのようにして2週間以内で製作するのかというと、scmの一部であるアキュレート・レスポンスというものを活用しました。アキュレート・レスポンスとは市場のニーズに対して的確に答えることで、もしあるシャツにつける白いボタンがなくなってしまったという時にこの白いボタンを別の黒いボタンに変えても売り上げが変わらないのかを迅速に判断して製作を行い消費者に届けることです。

一見すると簡単そうに感じてしまうが、実際にはボタンの色を変更することによって、同じような売れ行きになるのかや、製作現場において材料をすぐに調達出来るのかや、そもそも誰がこの決断を迅速に行って良いのかなどの問題点があるために中々、素早く処理することが難しいです。

IoT×scmの事例について

まず、IoTとはInternet of Thingsの略で、あらゆるものがインターネットに繋がりデータ化されてコミュニケーションされる、と言う意味です。実際のところIoTとscmは互いに依存しているために切り離すことは出来ない関係性です。

具体的な例を上げてみると、IoTによるクイックレスポンスと言うものがあります。これはIoTのセンサーがデバイスに搭載されていて、ある条件に達すると自動でプログラミングされたことが行われます。よくある例としては、コピー機に搭載されている例です。トナーの残量が少なくなった際にメーカーの発注部門や連携したECサイトに自動で発注をかけてくれます。

他にも、コピー機が故障した際に不具合の診断や修理指示を自動で送ることもできます。また、これは利益面においてもかなり優位性の高いもので、顧客側かすればすべて自動で行ってくれるので利便性が上がり満足度も向上するため継続して利用してくれる確度も高い上に、顧客を囲い込むことが可能になっています。

サプライチェーンマネジメント(scm)の課題

scmにおける課題の一つとしては、リアルタイムで鮮度の高い情報をすぐに共有出来る基盤を作ることです。最初の方でも解説しましたがそれぞれのセクターでの密接な情報共有がscmを成功させる上で大きな要因なので、いくら優秀な人材や設備を導入したとしても情報をすぐに共有できなければ機能しなくなってしまいます。

また、情報基盤導入には多額の費用もかかるので導入コストの面での課題もあります。また、scm導入にあたり業務の効率化に注視し過ぎた結果、本来最も力を入れて行うべきであったマーケティングなどが疎かになってしまい特定の需要を見逃すなどといったことも課題ではあります。

まとめ

scmとは定義で理解しようとするとかなり複雑ではありますが、消費者が求めているものを最適な時間、場所、数を供給するシステムと捉えると分かりやすいです。

そして、scmの導入に多くの企業が失敗していると言うことは、それなりに敷居の高いことなので必ず本質的な要素を念頭に入れつつ、本当に必要なのかを慎重に判断しましょう。

本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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